新築で床が鳴ると、「欠陥では?」「このまま悪化する?」と不安になります。けれど床鳴りは、住まいの構造や仕上げ、季節、暮らし方で起き方が変わるため、すぐに“重大トラブル”と決めつけるのは早いこともあります。大切なのは、音の種類と出る条件を整理し、直すべきもの(施工や支持の問題)と、様子見でよいもの(温度・湿度・材料のなじみ)を分けることです。この記事では、原因の切り分け、危険度の見分け方、保証の考え方、施工会社への伝え方、補修の費用・期間、そして千葉の海近く(九十九里周辺を含む)で意識したい環境要因まで、やさしい日本語で整理します。
1. 新築の床鳴りはなぜ起きる?まず原因を切り分けよう
1-1. “ギシギシ”はこすれ、“ミシミシ”はたわみが合図
床鳴りは音の種類で見立てが変わります。たとえば「ギシギシ」は部材同士のこすれ(床材と下地、下地と根太など)が関係しやすく、「ミシミシ」は踏んだときのたわみ(支え方や剛性)とセットで起きやすいです。まずは音を“言葉”で分類して、家族でも同じ認識にそろえましょう。
同じ場所でも、朝晩や季節で音が変わるなら、温度・湿度の影響(材料の伸び縮み)が混ざっている可能性があります。逆に、いつ踏んでも同じ音で、しかも範囲が広がるなら、留め付けの緩みや支持の不足など、補修優先度が上がります。
1-2. 乾燥収縮・温度差は“新築あるある”だが、放置しない線引きが大事
木材や合板、床材は、湿気や温度でわずかに動きます。入居直後は生活の湿気・暖房冷房の使い方も安定していないため、床鳴りが出たり消えたりすることがあります。このタイプは、すぐに壊れるというより“なじみ”の過程で起きることが多いです。
ただし、沈み込みが強い、同時にすき間が目立つ、床材が浮く、壁や建具にも異変が出る場合は、単なるなじみではない可能性があります。床鳴りは「単体の音問題」ではなく、「構造・下地・施工のサイン」でもあるので、線引きだけは先に持っておきましょう。
1-3. 図面に出ない“施工の約束”が床鳴りを左右する
床の強さや鳴りにくさは、床材の種類だけでなく、下地の材料、留め付け方法、釘・ビスの間隔、接着の扱いなど“施工の細部”で変わります。ところが、これらは図面だけでは書き切れないことが多く、仕様書や施工要領が重要になります。
契約前に施工内容を仕様書で約束しておくことがトラブル防止になる、という考え方は公的機関の標準仕様書でも説明されています。床鳴りが気になる方は「床の下地と留め付けの仕様がどう約束されているか」を確認するのが近道です。参考:【フラット35】住宅工事仕様書について
| ① 音・症状 | ② ありがちな原因 | ③ 優先度の目安 |
|---|---|---|
| ギシギシ(こすれ) | 床材・下地の摩擦、釘・ビス周りのこすれ | 小さければ様子見〜記録 |
| ミシミシ(たわみ) | 支持不足、下地の剛性不足、留め付け不足 | 沈み込みがあれば早め |
| パキッ(瞬間音) | 温度差での収縮・伸び、部材の当たり | 頻発・増加なら点検 |
※同じ音でも原因は複数あります。次章の「危険度チェック」で、沈み込み・割れ・範囲拡大がないかを合わせて確認しましょう。
2. 危険な床鳴りの見分け方は?沈み込み・割れ・場所で判定
2-1. “沈む・たわむ”は最優先でチェックする
床鳴りで一番見落としたくないのは、踏んだときに「沈む」「フワフワする」「段差を感じる」など、体感の変化があるケースです。音は主観が混ざりますが、沈み込みは生活上の支障や安全性にもつながるため、優先度が上がります。
確認は簡単です。鳴る場所にマスキングテープで印を付け、同じ体重の人が同じ踏み方で数回試し、沈み方が一定か、広がっているかを見ます。可能ならスマホで足元を撮影し、床の動きが見える形で残しておくと、後の説明がスムーズです。
2-2. “場所”がヒント:出入口・廊下・家具周りは原因が分かれやすい
床鳴りは、場所で原因の当たりがつきます。たとえば廊下や出入口は人の通行が集中するため、床材のジョイント部や下地のつなぎ目が影響しやすいです。リビングの一部だけなら、床下地の支持条件や設備配管の取り回しが関係することもあります。
家具の脚で局所的に荷重がかかっていると、床材がこすれて音が出ることがあります。この場合、家具の脚にフェルトを付けるなどで音が減ることもありますが、沈み込みが強いなら“家具の問題”で片付けず、下地側の点検を優先しましょう。
2-3. 点検の“考え方”を持つ:図面・仕様書・記録が武器になる
床鳴り対応で差がつくのは、点検の考え方です。新築時の図面や仕様書、保証書、そして「いつ・どこで・どんな条件で鳴るか」の記録が揃うほど、施工側も原因に当たりを付けやすく、補修が早く進みやすくなります。
住宅の維持管理は、定期的な点検と記録が大切だと公的機関も明記しています。床鳴りが軽くても、記録を残すことは“後で困らない保険”になります。参考:住宅金融支援機構「入居後の住まいの保守管理」
| ① チェック項目 | ② OK(様子見寄り) | ③ NG(早めに相談) |
|---|---|---|
| 沈み込み・たわみ | 体感ほぼなし | 足裏で明確に沈む/段差 |
| 範囲 | 点のように限定 | 面で広がる/増えている |
| 床材の見た目 | 目立つ変化なし | 浮き・割れ・すき間が急に増加 |
※NG側に1つでも当てはまるなら、早めの点検依頼が安心です。様子見の場合も、月1回程度で再チェックし、変化がないか確認しましょう。
3. 保証で直せる?瑕疵担保と“契約内容”の考え方
3-1. “10年”の対象はどこ?床鳴りはケースで扱いが変わる
新築住宅には、一定範囲の不具合について長期の責任が前提になる制度があります。ただし対象は広く“何でも”ではなく、主に構造や雨水に関わる部分が中心です。床鳴りがこの枠に入るかは、単なる音なのか、構造的な不具合(大きなたわみ等)を含むのかで変わります。
大事なのは、音そのものの好き嫌いではなく、「通常期待される性能を満たしているか」「契約で約束した仕様どおりか」「生活上の支障があるか」です。まずは“床鳴りの現象”を、沈み込みや割れの有無とセットで整理しておくと判断が進みます。
3-2. 引き渡し前後のタイミングで、取るべき行動が変わる
床鳴りに気づいたタイミングが「引き渡し前の内覧」か「入居後」かで、動き方は変わります。内覧なら、気になる場所に印を付けてその場で確認し、是正の方針(補修の内容、再確認の時期)まで話を詰めるのが理想です。
入居後なら、生活で再現できる条件(時間帯、室温、どの踏み方で鳴るか)を押さえ、記録付きで連絡します。施工側が再現できないと調査が進みにくいので、「再現のしやすさ」を意識することが、結果的に早い解決につながります。
3-3. 制度の一次情報を確認して、話を“共通言語”にする
保証の話は、言葉の定義が人によってブレやすい分野です。そこで、国の一次情報で「対象となる範囲」や「考え方」を押さえておくと、施工会社との話がかみ合いやすくなります。床鳴りの交渉でも、感情ではなく“根拠”で話せるのが強みです。
新築住宅に関する瑕疵担保責任の枠組みは、国土交通省のQ&Aで整理されています。参考:国土交通省「住宅瑕疵担保履行法(新築住宅Q&A)」
| ① 相談前に整理するもの | ② 具体例 | ③ ねらい |
|---|---|---|
| 契約・保証書類 | 契約書、仕様書、保証書、引き渡し日 | “約束”を明確にする |
| 現象の記録 | 場所、頻度、季節、沈み込み、動画 | 再現性を高める |
| 生活上の支障 | 夜間に響く、歩行が不安、範囲が増えた | 優先度を示す |
※“音が嫌”だけだと判断が割れやすいので、沈み込みや拡大傾向など客観情報を添えるのがコツです。
4. 施工会社への伝え方は?写真・動画・記録で交渉が変わる
4-1. まずは“再現条件”を3点セットで渡す
施工会社へ連絡するときは、①場所(図面や写真に印)②いつ(朝・夜、雨の日、暖房使用中など)③どんな踏み方(体重、歩く速度、踏む向き)をセットで伝えます。ここが曖昧だと「現地で鳴りませんでした」で終わりやすいです。
動画は、床全体より“足元と音”が分かる撮り方が有効です。スマホを床に近づけ、足の位置が見える角度で撮ると、施工側が原因の当たりを付けやすくなります。併せて、沈み込みが見えるなら横から撮影して残しましょう。
4-2. 言い方で結果が変わる:求めるのは「原因説明」と「是正案」
連絡時におすすめの要望は、「原因の推定と説明」「補修の選択肢」「補修した場合の影響(見た目、再発可能性)」の3つです。最初から“無料で全部直して”と要求すると対立しやすいので、まずは調査と説明を求める形にすると話が前へ進みやすくなります。
また、対応の期間は先に握りましょう。たとえば「現地確認は1〜2週間以内」「一次回答は何日まで」のように、日程の合意を取るだけで、放置の不安が大きく減ります(数値は目安でOKです)。
4-3. こじれそうなら第三者へ:相談窓口を“早めに”使う
施工会社と話がかみ合わない、連絡が遅い、説明が不十分と感じたら、第三者の相談窓口を使う手があります。ポイントは「揉めてから」ではなく「揉めそうな兆しが出た段階」で使うことです。早いほど、冷静に整理しやすいからです。
国土交通大臣指定の住まいの相談窓口として、電話相談などを行う仕組みがあります。床鳴りの相談事例も掲載されているので、同じ悩みの“落としどころ”を掴みやすいです。参考:住まいるダイヤル(国土交通大臣指定の住まいの相談窓口)
5. 直し方と費用相場は?補修方法別に期間も比較
5-1. 簡易補修:音を減らすが“原因が残る”こともある
床鳴りの軽いケースでは、床材のこすれを抑える処置や、部分的な固定の見直しで改善することがあります。たとえば、床の継ぎ目や周辺部の当たりを整える、床材の浮きを抑えるなどです。作業は短時間で済む一方、原因が下地側にあると再発することがあります。
そのため、簡易補修を選ぶ場合でも「どの仮説で、どの処置をするのか」「再発時は次に何をするのか」をセットで確認しましょう。ここが曖昧だと、同じ対応を繰り返して疲れてしまいます。
5-2. 本格補修:下地の固定・支持を直すと“根本改善”に近づく
沈み込みや面での鳴りがある場合は、床下地の固定や支持を点検し、必要なら補強する方向が現実的です。下地のズレや留め付け不足、支持の間隔などが原因なら、根本側に手を入れたほうが改善率は上がります。
一方で、本格補修は床材を一部はがす、点検口から作業する、天井側からアクセスするなど、家の条件で工法が変わります。工事範囲が広いほど、期間も伸びやすいので、生活への影響(家具移動、立ち入り制限)も事前に確認しましょう。
5-3. “留め付け”の考え方:釘や金物の知識は交渉の助けになる
床鳴りは、部材同士の摩擦や緩みが原因になることが多いため、留め付け(釘・ビス・金物)の考え方を知っておくと話が早くなります。たとえば、同じ合板でも、留め付けの種類や間隔で剛性や鳴りやすさが変わることがあります。
木造の耐力壁などを例に、釘の種類や留め付け条件が整理された資料もあります(床そのものの規定ではなく考え方の参考として)。施工会社に「下地の固定条件はどうなっていますか?」と聞くときの助けになります。参考:日本合板工業組合連合会の技術資料(釘・合板の基礎)
| ① 補修の方向性 | ② 費用の目安 | ③ 期間の目安 | ④ 向いている症状 |
|---|---|---|---|
| 簡易補修(音低減) | 0〜3万円(軽微) | 当日〜半日 | 点状の鳴り、沈み込みがない |
| 部分補修(下地含む) | 3〜15万円 | 半日〜2日 | 特定範囲で繰り返す鳴り |
| 広範囲補修(解体範囲大) | 15〜50万円以上も | 2日〜1週間 | 面で鳴る/沈む/原因調査が必要 |
※金額と日数は一般的な目安で、床材(フローリング/合板/直貼り等)やアクセス条件(床下点検口の有無、家具量)で変動します。見積もりは“調査費・復旧費(補修後の仕上げ)”まで含むか確認しましょう。
6. 千葉の海近くで床鳴りが出やすい?湿気・砂・温度差の対策
6-1. 湿気が多い時期は“材料が動く”前提で暮らしを整える
床鳴りは、床材や下地のわずかな伸び縮みで出たり消えたりします。湿気が多い時期は、室内の水分量が増えやすく、床の当たり方が変わることがあります。これは欠陥というより環境要因が上乗せされるイメージです。
対策はシンプルで、換気の習慣、除湿の使い方、家具の置き方(壁に密着させすぎない)など、空気の流れを作ることが基本です。床鳴りが季節性なら、改善策が“工事”ではなく“運用”で済む場合もあります。
6-2. 砂は“摩擦”を増やす:玄関〜廊下の動線対策が効く
海近くは、風で砂が入りやすく、床表面の摩擦が増えて「キュッ」「ギシ」といった音の原因になることがあります。床鳴りのすべてが砂のせいではありませんが、体感として悪化しやすい要因の一つです。
玄関マットや掃除動線の工夫、こまめな拭き掃除、椅子脚の保護など、日常対策で改善することもあります。もし“歩く場所が決まっている廊下”で鳴りやすいなら、砂+通行集中で摩耗が進む可能性もあるため、早めの点検が安心です。
6-3. “いつ増えるか”をデータで見る:気象データをメモに残す
床鳴りが「雨の日に増える」「梅雨に増える」「寒い朝だけ鳴る」など、気象条件と連動していると感じたら、相談時の説得力が上がります。日付とともに、天気・室温・湿度(可能なら)をメモしておくと、原因の仮説が立てやすくなります。
過去の気象条件は、気象庁のデータ検索で確認できます。自分の記録と照らし合わせて「湿度が高い日に出る」などが言えると、調査が進みやすいです。参考:気象庁「過去の気象データ検索」
住まいの発見館でできること(千葉・山武市/東金市/九十九里周辺)
新築の床鳴りは、原因が「なじみ」なのか「下地・支持の問題」なのかで対応が変わります。住まいの発見館では、地域密着で新築・リフォームの経験を活かし、現象の整理から点検・補修の方向性まで、住まい手の不安が減る説明を大切にしています。海に近い立地では、湿気や砂を前提にした暮らし方の工夫も含めて、現実的な提案がしやすいのが強みです。
詳しいメニューと料金は 住まいの発見館・公式料金ページ をご確認ください。
点検やご相談は お問い合わせ からご連絡いただけます。
FAQ:新築の床鳴りでよくある質問
Q1. 入居直後の床鳴りは“普通”ですか?
A. 起きることはあります。材料の伸び縮みや“なじみ”で一時的に出る場合もあります。ただし、沈み込みがある、範囲が広がる、床材が浮く・割れるなどがある場合は、様子見ではなく早めの点検が安心です。
Q2. 施工会社に言いにくいのですが、どう伝えるのが良いですか?
A. 「調査依頼」として、場所・時間帯・踏み方をセットで伝え、動画やメモを添えるのが効果的です。求めるのは“謝罪”よりも「原因説明」と「是正案」です。対応の期間(いつ確認、いつ回答)も合わせて合意しましょう。
Q3. 補修すると床の見た目は変わりますか?
A. 補修方法しだいです。簡易補修で見た目が変わらないこともありますが、下地補修で床材を一部はがす場合は、補修跡が残る可能性があります。事前に「復旧の範囲」「色差」「再発時の対応」を確認しておくと納得しやすいです。
Q4. いくらまでなら“様子見”して良いですか?
A. 金額基準より、沈み込み・割れ・範囲拡大の有無で判断するのがおすすめです。特に沈み込みがある場合は、早期に原因を特定した方が結果的に費用が小さく済むことが多いです。